資金調達におすすめの補助金・助成金6選!メリットや注意点も解説
補助金や助成金の活用は、中小企業の資金調達手段の一つです。実際に資金繰りの安定や設備投資などを目的として補助金や助成金での資金調達を検討している経営者も多いのではないでしょうか。
この記事では、補助金や助成金を活用して資金調達するメリットや注意点、おすすめの制度を詳しく紹介します。
1 そもそも補助金と助成金の違いとは?

補助金と助成金は、国や地方自治体が事業者のさまざまな取り組みを支援する制度であるという点は共通していますが、それぞれ支給目的や条件、性質などは異なります。そのため、中小企業の経営者は自社の経営方針や戦略に応じて最適な制度を選択する必要があります。
補助金と助成金の違いについては以下の表でまとめましたのでご覧下さい。
| 補助金 | 助成金 | |
| 支給機関 | 経済産業省
地方自治体 |
厚生労働省
地方自治体 |
| 支給目的 | 事業拡大
事業再編 など |
雇用環境の改善や安定 |
| 支給金額 | 数百万〜数億円 | 数十万程度 |
| 補助対象範囲 | 広い | 狭い |
| 受給の難易度 | 高い | 低い |
| 財源 | 税金 | 雇用保険料 |
2 補助金・助成金を活用して資金調達するメリット

銀行などの金融機関から融資を受けるとその後返済の義務が生じますが、補助金や助成金の多くは返済不要で利用できます。そのため、資金調達後の返済負担を抑えることが可能です。また、補助金の場合は建物や機械設備、広告宣伝費など補助対象経費の範囲が広く、事業内容によっても異なりますが審査に通過すれば多額の金額を調達できる可能性があります。
なお、補助金や助成金の受給実績は今後の融資審査において有利に働きやすいといわれています。これは国や地方自治体が提供する公的資金を受給できたという事実が、事業や企業としての信頼性を金融機関に証明することにつながると言われているためです。
3 補助金・助成金を活用して資金調達する際の注意点・デメリット

補助金や助成金を申請する際には、事業計画や書類作成に時間と手間がかかるため、スケジュールに余裕を持って準備しなければなりません。
時間をかけて準備したとしても必ず審査に通過するわけではなく、無事に審査に通過できた場合でも原則後払いとなるため、支給されるまでの間に必要な資金を自社で立て替えておく必要があります。
つまり、補助金や助成金の活用においては、審査に通過できない可能性や資金繰りの観点から他の資金調達方法もあわせて検討しておくことが大切です。
4 中小企業の事業の安定と成長を支援するおすすめの補助金・助成金6選

補助金や助成金にはさまざまな制度がありますが、ここでは「中小企業の事業の安定と成長を支援する制度」に焦点をあてて紹介します。なお、記載する補助額や補助率などの情報は2025年3月時点のものです。
- 中小企業新事業進出補助金
- IT導入補助金
- 事業承継・M&A補助金
- ものづくり補助金
- 雇用調整助成金
- 中小企業省力化投資補助金
4-1 1.中小企業新事業進出補助金
中小企業新事業進出補助金は、企業の成長や拡大に向けて新規事業への挑戦を行う中小企業等を支援する補助金のことで、2025年より新設されました(※公募開始時期は2025年3月時点では未定)。
本制度は、第13回(2025年3月26日まで)で新規での応募申請受付を終了する「事業再構築補助金」の後継といわれており、事業の立て直しや新しい市場への進出にかかる設備投資等のサポートを受けられます。
中小企業新事業進出補助金の補助上限額や補助率、対象経費は以下の通りです。
| 補助上限額 | ・従業員20人以下:2,500万円(3,000万円)
・21〜50人:4,000万円(5,000万円) ・51〜100人:5,500万円(7,000万円) ・101人:7,000万円(9,000万円) ※補助下限750万円 |
| 補助率 | 1/2 |
| 補助対象経費 | 建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費 |
※()内数字は大幅賃上げ特例適用事業者
出典:中小企業新事業進出補助金
なお、申請においては基本要件を満たす必要があるため、詳細については公式ページでご確認下さい。
4-2 2.IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の業務効率化やDX推進の実現のために必要なITツールの導入を支援する補助金です。例えば、建設業の場合は人手不足が課題となりがちですが、本制度を活用しながら業務のIT化を推進することで業務効率化や売り上げ向上を図れるでしょう。
IT導入補助金の申請枠別の補助額や補助率は以下の通りです(枠によって内容を一部抜粋)。なお、本制度を利用する際には、導入予定のITツールが申請対象となっているか事前に確認しておく必要があります。
| 補助額 | 補助率 | |
| 通常枠 | ・1プロセス以上:5万円以上50万円未満
・4プロセス以上:150万円以上450万円以下 |
1/2以内、2/3以内(従業員の賃金における条件を満たした場合) |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | 50万円以下 | 中小企業は3/4以内、小規模事業者は4/5以内 |
| インボイス枠(電子取引類型) | ~350万円以下 | 中小企業・小規模事業者等は2/3以内、その他の事業者等は1/2以内 |
| セキュリティ対策推進枠 | 5万円~150万円 | 中小企業は1/2以内、小規模事業者は2/3以内 |
| 複数社連携IT導入枠 | 50万円以下 × グループ構成員 | 3/4以内、小規模事業者は4/5以内 |
※インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトの場合
※複数社連携IT導入枠は、基盤導入経費のソフトウェアの場合
出典:IT導入補助金2025
4-3 3.事業承継・M&A補助金
事業承継・M&A補助金は、事業承継にかかる設備投資やM&Aの専門家活用費用などを支援する制度です。例えば、事業承継時に一部の事業を廃業したいという場面などで活用できます。2024年までは「事業継承・引継ぎ補助金」という名称でしたが、内容を一部変更する形で2025年から新たに本制度がスタートします。
事業承継・M&A補助金の補助上限額や補助率、対象経費は以下の通りです。
| 事業継承促進枠 | 専門家活用枠 | PMI推進枠 | 廃業・再チャレンジ枠 | |
| 補助上限額 | 800~1,000万円 | 買い手支援類型:
600~800万円、2,000万円(100億企業要件) 売り手支援類型: 600~800万円 |
PMI専門家活用類:
型:150万円 事業統合投資類型: 800~1,000万円 |
150万円 |
| 補助率 | 1/2・2/3(小規模事業者) | 買い手支援類型:
1/3・1/2、2/3(100億企業要件) 売手支援類型: 1/2・2/3(赤字or 利益率低下の場合) |
PMI専門家活用類型:
1/2 事業統合投資類型: 1/2・2/3(小規模事業者) |
1/2・2/3 |
| 補助対象経費 | 設備費、産業財産権等関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費 等 | 謝金、旅費、外注費、委託費、システム利用料、保険料 | 設備費、外注費、委託費等 | 廃業支援費、在庫廃棄費、解体費、原状回復費、リースの解約費、移転・移設費用(併用申請の場合のみ) |
出典:事業承継・M&A補助金
4-4 4.ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者等が取り組む革新的サービスの開発や業務プロセスの改善を行うために必要な設備投資などを支援する制度で、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と呼びます。ものづくり補助金の対象経費は、主に機械設備に関するものです。
ものづくり補助金の枠ごとの補助上限、補助率は以下の通りになります。
| 製品・サービス高付加価値化枠 | グローバル枠 | |
| 補助上限額 | ・従業員5人以下 :750万円
・6~20人 :1,000万円 ・21~50人:1,500万円 ・51人以上 :2,500万円 |
3,000万円 |
| 補助率 | 中小企業は1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者は2/3 | 中小企業は1/2、小規模企業・小規模事業者は2/3 |
出典:ものづくり補助金
その他申請の基本要件なども設けられているため、詳細は公式サイトをご確認下さい。
4-5 5.中小企業省力化投資補助金
中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業等に対して省力化投資を支援する制度です。例えば、ロボットやIoTなどの製品の導入にかかる費用を一部補助してくれます。
申請においては「カタログ注文型」「一般型」の2つの方法があり、カタログ注文型の場合は必要な製品をカタログから選択して注文します。一般型は現場や事業内容に合わせた設備導入やシステム構築を行う方法になります。
補助上限額や補助率は以下の通りです。
| カタログ注文型 | 一般型 | |
| 補助上限額 | ・従業員数5人以下:200万円(300万円)
・6〜20人:500万円(750万円) ・21人以上:1,000万円(1,500万円) ※()内数値は賃上げ要件を達成した場合 |
・従業員数5人以下:750万円(1,000万円)
・6〜20人:1,500万円(2,000万円) ・21~50人:3,000万円(4,000万円) ・51~100人:5,000万円(6,500万円) ・101人以上:8,000万円(1億円) ※()内数値は大幅な賃上げを行う場合 |
| 補助率 | 1/2以下 | 【中小企業】
・補助金額が1,500万円まで:1/2(2/3) ・1,500万円を超える部分:1/3 【小規模企業者・小規模事業者、再生事業者】 ・補助金額が1,500万円まで:2/3 ・1,500万円を超える部分:1/3 |
出典:中小企業省力化投資補助金
4-6 6.業務改善助成金
業務改善助成金は、生産性向上のための設備投資等を実施するとともに、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた際にかかった費用の一部を助成する制度のことです。事業内最低賃金とは、補助事業の実施場所で勤務する従業員に適用される最低時給を指します。
助成上限額と助成率は以下の通りです(令和7年度概算要求額より抜粋)。
| コース区分(引き上げ額) | 引き上げる労働者数 | ||||
| 1人 | 2〜3人 | 4〜6人 | 7人以上 | 10人以上 | |
| 30円 | 30万円(60万円) | 50万円(90万円) | 70万円(100万円) | 100万円(120万円) | 120万円(130万円) |
| 45円 | 45万円(80万円) | 70万円(110万円) | 100万円(140万円) | 150万円(160万円) | 180万円 |
| 60円 | 60万円(110万円) | 90万円(160万円) | 150万円(190万円) | 230万円 | 450万円 |
| 90円 | 90万円(170万円) | 150万円(240万円) | 270万円(290万円) | 450万円 | 600万円 |
※()内数値は事業規模30人未満の場合
※10人以上の場合は一定の要件を満たす必要あり
助成率は事業内最低賃金によって以下のように定められています。
【助成率】
| 事業内最低賃金 | 1,000円未満 | 1,000円以上 |
| 助成率 | 4/5 | 3/4 |
5 中小企業の経営者が検討したい補助金・助成金以外の資金調達方法

先ほど解説した通り補助金や助成金は原則後払いとなるため、支給されるまでの間は別の手段で立て替えておく必要があります。例えば、補助金を担保としたPOファイナンスを利用することも一つの方法です。POファイナンスなら、補助金を電子記録債権化し、その電子債権を金融機関に提供する形でつなぎ融資を受けられます。
その他にも資金調達手段として以下のようなものが挙げられます。
- ビジネスローン
- 資産売却
- クラウドファンディング など
法人が検討できる資金調達手段は以下の記事でも紹介しているので、あわせてチェックしてみて下さい。
6 資金繰りや資金調達の相談ならまずは専門家への相談もおすすめ

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まとめ 資金調達で補助金や助成金を活用する際は自社に目的に合ったものを選ぼう
補助金や助成金による資金調達なら返済不要の資金を調達できるメリットはありますが、支給されるまでの間は立て替えのための資金を用意しておかなければなりません。
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