公開日:2026年2月13日 / 更新日:2026.02.13

経営者・役員200人調査:いまの不安と最初の一手 相談先と不安が和らぐ条件【アンケート調査】

経営者・役員200人調査:いまの不安と最初の一手 相談先と不安が和らぐ条件【アンケート調査】

今回は、資金繰りと事業再生の専門家であるリンクソートコンサルティング(https://www.linkthought.co.jp/ )が、経営者・役員200人を対象に「いま特に感じている不安」と「不安を感じたときの最初の一手」を調査しました。あわせて、相談相手や、不安が和らぐと感じる瞬間についても聞いています。

回答はさまざまですが、全体として見ると、不安が強まる場面や、気持ちが軽くなるきっかけには一定の傾向が見えてきました。本記事では調査結果をもとに、経営者・役員が抱えやすい不安の中身と、その向き合い方を整理します。

Q1. いま特に不安に感じていることを選んでください(複数回答可:注1 )

注1:本設問は複数選択式ですが選択肢は2つまでに制限しています。これにより、いま特に不安に感じていることをより明確に把握できるようにしています。

最も多かったのは、「売上・受注(新規獲得/既存維持)」で、27.5%(55人)でした。新しい取引先を獲得できるか、あるいは既存顧客との関係を維持できるかといった点は、経営における根本的なテーマであり、多くの経営者・役員が現状や先行きに対して不安を抱いている様子がうかがえます。

次いで多かったのが、「利益(原価高/人件費増/値上げできない/粗利低下)」で、26.0%(52人)です。売上が一定水準にあっても、コストの上昇や価格転嫁の難しさによって利益が残りにくい状況に直面しているケースは少なくなく、収益構造そのものへの不安が表れています。

3番目は「資金繰り(支払いが回るか/運転資金)」で、19.0%(38人)でした。日々の支払いや資金の回転に対する不安は、事業規模を問わず現実的な課題であり、売上や利益と密接に関わる悩みとして挙げられています。

そのほか、「採用(必要な人が集まらない)」は16.5%(33人)、「事業承継・将来(後継者/体制移行)」は16.0%(32人)となっており、人材確保や将来の体制づくりといった中長期的なテーマに不安を感じている経営者・役員も一定数存在しています。

一方で、「定着・育成(離職/育たない/マネジメント負荷)」は12.5%(25人)、「主要取引先・既存顧客(解約/取引縮小/先行き不安)」および「競合・市場環境(価格競争/市場縮小)」はいずれも8.5%(17人)でした。

Q2. 不安を感じたとき、優先して行うことはどれですか(複数回答可:注2)

注2:本設問は複数選択式ですが選択肢は2つまでに制限しています。これにより、不安を感じた時に優先して行うことをより明確に把握できるようにしています。

最も多く選ばれたのは、「売上を増やす(営業強化/集客/既存深掘り)」で、28.5%(57人)でした。不安な状況に直面すると、まずは売上そのものを伸ばすことで打開しようと考える経営者・役員が多く、営業活動や集客強化といった分かりやすい行動に意識が向きやすいことが分かります。

次いで多かったのが、「支出を抑える(固定費見直し/変動費見直し)」の21.0%(42人)です。売上拡大と並行してコストを見直し、リスクを抑えようとする現実的な判断が取られている様子がうかがえます。

また、「人・体制を見直す(配置転換/外注活用/業務効率化)」と「情報収集・現状把握(数字の棚卸し)」はいずれも16.5%(33人)でした。すぐに手を打つのではなく、まずは社内体制や数字を整理し、状況を把握し直そうとする姿勢も一定数見られます。

そのほか、「資金を確保する(金融機関相談/資金調達)」は16.0%(32人)、「単価・粗利を見直す(値上げ/値引き見直し/商品構成)」は14.0%(28人)となっています。利益構造に踏み込む対応は重要である一方、実行のハードルを感じている人も少なくないことが読み取れます。

一方で、「回収・支払い条件を整える(入金を早める/支払いを調整する)」は6.5%(13人)と比較的少数派でした。

また、「特に動けていない」と回答した人も21.5%(43人)にのぼり、不安を感じながらも具体的な行動に移せていない層が一定数存在していることが分かります。

Q3. 不安があるとき、相談相手として特に近いのはどれですか(複数回答可:注3)

注3:本設問は複数選択式ですが選択肢は2つまでに制限しています。これにより、不安があるときの相談相手をより明確に把握できるようにしています。

最も多かったのは、「経営者仲間(同業/異業種)」で、27.0%(54人)でした。同じ立場や経験を持つ相手だからこそ、状況を細かく説明しなくても理解してもらいやすく、経営判断に関する悩みを率直に共有しやすい存在として頼られていることがうかがえます。

次いで多かったのが、「税理士・会計事務所」で、24.0%(48人)です。日常的に数字や経営状況を把握してもらっている立場から、資金繰りや利益、将来の見通しについて相談しやすい存在であることが背景にありそうです。

「社内(共同経営者/役員/幹部)」は18.0%(36人)でした。社内に相談できる相手がいる一方で、立場や役割を意識するあまり、本音の悩みまでは共有しづらいケースも考えられます。

そのほか、「金融機関(銀行など)」は12.5%(25人)、「身近な人(家族/親族など)」は12.0%(24人)となっています。資金面や生活に近いテーマでは相談しやすいものの、経営全体の判断を任せる相手としては限られている可能性が読み取れます。

また、「士業(弁護士/社労士など)」は9.5%(19人)、「外部アドバイザー(コンサルなど)」は6.0%(12人)と、専門性の高い相談先は比較的少数にとどまりました。

一方で、「特にいない(自分で判断)」と回答した人は25.0%(50人)にのぼります。不安を感じても相談先を持たず、自身の判断で対応している経営者・役員が一定数存在している実態が浮かび上がっています。

Q4. 不安が和らぐ(軽くなる)と感じるのはどれですか(複数回答可:注4)

注4:本設問は複数選択式ですが選択肢は2つまでに制限しています。これにより、不安が和らぐと感じるタイミングをより明確に把握できるようにしています。

最も多かったのは、「数字の見通しが立つ(資金繰り予測/損益見込み)」で、29.5%(59人)でした。先行きが不透明な状況でも、感覚ではなく数字として状況を把握できるようになることで、判断の軸が定まり、不安が軽くなる人が多いことが分かります。

次いで多かったのが、「相談できる相手がいる(客観的な助言/伴走)」で、26.0%(52人)でした。一人で抱え込むのではなく、第三者の視点や言葉を得られることで、状況を冷静に整理できるようになる様子がうかがえます。

また、「資金面の目処が立つ(入金確定/資金確保など)」は24.0%(48人)、「人・体制の目処が立つ(採用/定着/配置)」は21.0%(42人)となっています。事業の土台となる資金や人の見通しが立つことが、心理的な安心感につながっていることが読み取れます。

そのほか、「リスク面の不安が減る(法務/労務/税務など)」は18.5%(37人)、「打ち手の優先順位が決まる(やることが整理できる)」は18.0%(36人)でした。リスクや行動を整理し、次に何をすべきかが明確になることも、不安を和らげる要因になっています。

一方で、「その他」と回答した人は1.5%(3人)にとどまり、不安が軽くなる要因としては、数字や相談相手、資金や体制といった、状況を整理・把握できる要素が多く挙げられる結果となりました。

まとめ:不確実な時代に必要なのは「判断の土台」

今回の調査結果を振り返ると、個別の数字や回答の違い以上に、経営者・役員が不安を感じる構造そのものが浮かび上がってきました。個々の回答には違いがあるものの、全体を通して見ると、共通する部分も少なくありません。

不安の正体は「出来事」ではなく「判断できない状態」

今回の調査から見えてきたのは、経営者・役員が抱える不安の多くが、個別の出来事そのものというよりも、「先が見えず、判断しにくい状態」から生まれているという点です。売上や利益、資金繰り、人材といった不安の内容はさまざまですが、その背景には共通して「今の状況をどう捉え、次に何をすべきかが整理できていない」という感覚があるように感じられます。

不安が強くなるほど、情報は断片的になり、全体像を把握しづらくなりがちです。その結果、何が課題で、どこから手を付けるべきかが分からなくなり、不安そのものがさらに膨らんでしまう構造が見えてきます。

動ける人と動けない人を分けるもの

不安を感じたときの行動を見ると、「売上を増やす」「支出を抑える」といった具体的な対策に踏み出す人がいる一方で、「特に動けていない」という回答も少なくありませんでした。不安があること自体よりも、その不安をどの程度整理できているかが、行動に移れるかどうかを左右しているように思われます。

また、相談相手については、「経営者仲間」や「税理士・会計事務所」が一定の役割を果たしている一方で、「特にいない(自分で判断)」と回答した人も一定数存在していました。相談先を持たない状態では、判断材料が限られやすく、不安を抱えたまま意思決定を迫られる場面が増えてしまうことも考えられます。

不確実な環境では「判断できる状態」を維持することが重要

一方で、不安が和らぐ瞬間として多く挙げられたのは、「数字の見通しが立つこと」や「相談できる相手がいること」でした。状況を感覚ではなく数字で捉え直し、「何が分かっていて、何がまだ不透明なのか」を整理できるようになることで、不安は完全になくならなくても、少しずつコントロールできる状態に近づいていきます。

不安をなくすこと自体を目的にするのではなく、状況を可視化し、課題と打ち手を整理し、判断できる状態を保つことが大切です。判断材料が不足している場合や、自社だけでは整理しきれない局面では、第三者の視点を取り入れることも、現実的な選択肢の一つと言えるでしょう。

不確実性が高い環境においては、「すべてを解決すること」よりも、「判断できる状態を維持すること」が、結果として経営の安定につながっていく可能性があります。日々の意思決定を少しでも冷静に行える状態を保つことが、長期的に見たときの経営の質を支えていくのかもしれません。

調査概要

調査日: 2025年12月16日

調査対象地域: 全国

調査機関: Freeasy

調査方法: オンラインアンケート調査

調査対象・人数: 30~59歳の経営者及び役員・200名

<<調査結果の利用条件>>

情報の出典元として「資金繰りと事業再生の専門家リンクソートコンサルティング」を明記してください。

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資金繰り・事業再生支援リンクソートコンサルティング

【コラム著者】

リンクソートコンサルティング ライティングチーム

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