粉飾決算からの再生事例~逃げずに踏み込む~

 

こんにちは。

資金繰り・事業再生の専門家、道家健一です。

今回は、「逃げずに踏み込む」をテーマに、
資金調達の為に粉飾決算を繰り返し、赤字を拡大してしまった社長が、
そこから会社を立て直した事例をお話していきたいと思います。

私の好きな言葉に

「振りかかる太刀の下こそ地獄なれ、踏み込んでみよ極楽もあり」

という武道極意の言葉があります。

小学校低学年時代、友人関係で悩んでいた私に、
父が小さなメモに書いて贈ってくれたものです。

今でもその小さなメモは持っていて、いつしかそれは私の座右の銘となっています。

今日は、そんな言葉にちなんだお話ができたらと思います。

 

ヒット商品にも重大な落とし穴が・・・

ご紹介する会社は、年商約10億円の製造業で、業況は赤字、在庫過多、資金繰りが厳しいという状態でした。

ここに至るまでの経緯もご紹介しておきたいと思います。

当社の社長は、10年前に事業を承継し、そこから商品開発に力を入れ、素晴らしいヒット商品に恵まれていました。そこで生産を急拡大させ、小売りへも進出。承継前に比べると、売上はなんと4倍増にまでなっていたのです。
しかし、ヒット商品にもリスクがあります。流行は突然終わりを迎え、売上が急減、在庫の山が出来上がってしまいます。

そしてこの時に、運命の分かれ道が現れたのです。

それは、事業を縮小するのか、まだ事業を拡大し続けるのかです。この時社長は、事業のさらなる拡大を選択するとともに、現状を巻き返すためにと、決算書を粉飾し資金調達も拡大してしまったのです。

そうして得たお金で出店を重ねますが、売上は思うように伸びていきません。みるみる赤字が拡大していく中、またお金を借りるためにと粉飾が繰り返されていきました。ここに至っては、もう自分ではどうしようもなくなっていたのだと思います。

そして、遂には、こうした状況を怪しんだメインバンクが融資を止めてきます。こうなると、もう大変です。そもそも実態は赤字ですからキャッシュは減る、借入も止まり返済だけになるのでやはりキャッシュが減る、お金がどんどんなくなっていくという状況に陥り、ご相談にいらしたのでした。

窮地の会社を立て直す2つのステップ

さて、この会社がどうなったかと言うと、次の2つのステップで経営改善を進めていきました。

1.資金繰りの改善

2.黒字転換

まずステップ1として、最大のキャッシュ減少要因になっていた、借入金の返済を止める交渉を行っていきます。そのためには、なぜこれだけ資金繰りが厳しくなったのかを明確にしていかなければなりません。

つまり、粉飾決算であることを開示するということです。これをどう行うのかを慎重に協議し、事実は事実として、私たちも同行し一緒に銀行へ謝罪を行いました。そして、それと同時に、借入金の元金返済を一時的に0円にしてもらう交渉も実施したのです。
銀行から見れば、なんとも都合が良く勝手な話であるわけですが、それでもきちんと話をまとめていきました。

次に、ステップ2として、黒字転換へのアクションを実施していきます。
赤字の最大要因だった不採算店の閉店、過剰在庫や所有する非効率な倉庫の処分など、抜本的なリストラを行っていきます。
さらに、増えすぎていた商品をそれぞれ分析し、販売効率の良いものに絞り込むなどして、利益率・回転率を上げることに注力し黒字化を目指していったのです。

現状、まだ道半ばですが、既に資金繰りは問題なく、黒字化も目処がついている状態となり、銀行も徐々に応援してくれるようになってきました。

こうなってくると、未来には、融資を再び正常に受けられる状態が見えてくるのです。

まとめ

このお話を通じて、何をお伝えしたかったかと言うと、粉飾していても、そこから戻ってくる道があるということです。

ちなみに、意図的に粉飾決算をして資金調達をしたとすれば、それは犯罪行為だということも改めてお伝えしなければなりません。

具体的には『詐欺罪』にあたり

・刑事罰:10年以下の懲役、得た利益は没収

・民事罰:債権者から取締役等に対して損害賠償請求

などもありえます。

繰り返しますが、仮に粉飾決算をしていたとしても、正直に話をして再生していくという道もあるのです。

これが、今日のテーマである「逃げずに踏み込む」ということだと思っています。

しかし、言うは易し行うは難し。わかってはいても、どうしたらいいか悩む、今更いうべきなのかと迷われるのは当然だと思います。そんな時は、自分自身や会社を、客観視できる状態を作っていただきたいと思います。

時には、顧問の税理士以外、第三者へ相談するのも有効なのではないでしょうか。

改めて新鮮な目で見てくれるはずです。

いずれにしても、あなたの会社が、良き方向に向かっていくことを願っています。

がんばってください。応援しています。

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