【コロナ融資の使い方】ちょっと待って!その使途はダメ

 

こんにちは。
資金繰り・事業再生の専門家、道家健一です。

そろそろ周囲からも、「コロナ融資を受けたよ」という話が聞こえてきているかもしれません。2020年5月7日時点のデータですが、今回のコロナ融資に関して、日本政策金融公庫への申込が約40万件あり、このうち22万件の融資を決定(約55%)、全国の信用保証協会も申込が約16万件あり、約14万件が決定(約88%)と発表されています。

今回の融資は、かなり多くの例外を取り込んで積極的に融資を出しているわけですが、それでも融資を受けられない会社があることは事実です。そんな中融資を受けられた会社は良かったわけですが、このお金の使い道についていくつか気になる話がでてきましたので、既にコロナ融資を受けた方、これから受ける方にも参考になればとコラムを書きました。

気になる話というのは、この融資を受けた私たちの顧問先から出てきている話です。具体的には、以下のようなやり取りがありました。

・A社:「ちょうど車を買い替えしようと思っていたんですよ。」
⇒道家:「社長、今の時期に、そんないい車にする必要あります?」

・B社:「畑違いだけどこのビジネスを始めようと思うのですが。」
⇒道家:「まとめて仕入が必要?設備投資も必要?いやいやそれはダメです。」

・C社:「私が会社に貸していたお金をやっと返してもらえます。」
⇒道家:「社長、それはまずいんですよね。。」

当たり前のような話もあるのですが、それでも、そもそもなぜ融資の使い方にまずいものがあるのか、そして、今回のコロナ融資をどう使うべきなのかも含めて、お話したいと思います。

お金が人を狂わせる

私たちの顧問先には、年商数億円でも、それこそ普段の月末現預金残が数万円とか数十万円のところなんかもあります。そもそも、赤字でお金が減っていて、常にギリギリの資金繰りを余儀なくされている会社からの依頼が多いということや、業績が回復しても、過去の負債が大きいために、その支払いばかりでお金が貯まらない会社もあるからです。

そんな資金繰りの厳しい会社が、今回のコロナ騒ぎで、いきなり一千万円単位の融資を受けられてしまったわけです。すると、通帳残高が数万円の会社でも、いきなり一千万円になってしまったりします。こうして、普段は持っていないお金が目の前にあると、天から降ってきたような感覚に襲われるのか、頭と身体がフワフワとしてしまうのでしょうね。どうも気が大きくなってしまう人がいるのです。

この話は、なにも元々お金がない会社だけに当てはまる話ではありません。うまくいっている会社が、不必要に多くのお金を借入できてしまい、その使い方を誤って私たちにご相談に来られるなど、まさによくある話なのですから。過去を振り返って、自分がその手のタイプ、その手のお金の使い方をしていたとしたら、改めて注意してほしいと思います。

コロナ融資をこう使ったら大変なことに?

融資を申し込む際には、「資金使途が何か」ということを必ず聞かれるわけですが、一般的には、運転資金か設備資金のどちらかで申込みをすることになります。

この申請時の資金使途と違う使い方をした場合、“資金使途違反”ということになり、次回以降融資が難しくなるか、最悪は融資の一括返済を求められる、ということをご存じでしょうか?

今回のコロナ融資の資金使途は、大変の会社が

「運転資金」

として申込みをしていると思います。
その前提でお話をすると、具体的には、

1)設備投資(設備資金で借入して運転資金に使うのも×)
2)既存融資や役員借入金の返済
3)私的流用(決算書上は、社長への貸付金や仮払金などになる 等)

などに利用すると資金使途違反ということになってしまいます。

上記の2)については、融資の申込時に事前に申入れしていれば別ですが、そもそも、他の銀行からの既存借入金返済を前提とした申込みは受付対象外となっています。

お金の使い道について、事情があることも、気持ちもわかるのですが、資金使途違反という現実に目を向けて、よく考えなければいけません。どうしてもという場合があるならば、やはり専門家に一度相談することをお勧めします。

コロナ融資をどう使うか

では、運転資金で借入した今回のコロナ融資は、何に使えば良いのでしょうか?
私たちは、次の3つを前提に考えています。
1)企業防衛資金:赤字補填やそうなった時の備え
⇒基本は当然コレ!

2)経営改善資金:広義のリストラ、収益向上前提の支出、体制固めの支出 等
⇒多少資金にゆとりがあるならコレ!10年に一度の大掃除のチャンス

3)市場適応資金:新商品・新サービス開発・新市場開拓 等
⇒攻めるならばコレ!ただし、多角化は除外。

1)は言うまでもありませんね。他の使途に使うとしても、この部分をどの程度にすべきかは重要な判断になります。微妙な表現ですが、積極的に損益予測を下げて、これから必要になるであろう資金を計算し、この使途に充てるようにしています。

ちなみに、今後どの程度の資金が必要かなど、こうしたことがよくわからないという会社は、ともかく多めに考えて手許にお金を置いておくしかありません。または、2)の経営改善資金のイメージの中で、専門家を利用してでも、そうした資金の想定や資金繰りの組み立てができるよう、社内の体制を整えていくべきだと思っています。

2)は、先にお金が出ていくものの、後からお金が増える前提の支出という種類のものです。ピンチをチャンスと捉えるならば、今まで手を付けられていなかった商品や事業に見切りをつけるなど、“何かをやめる”ことも1つです。これまで決断できずにいたが、今だからこそ、思い切ることができるのではないでしょうか?これが広義のリストラの意味合いであり、10年に一度の大掃除のチャンスというわけです。

3)は、現在の市場環境に合わせて変化する必要があるビジネスをしている場合の話です。多くの会社が変化を求められているわけですが、特に何も変える必要がない会社もあります。この種の会社は、これまで通りに、変に焦らず、じっくりと仕事を行っていれば良いのです。同業者が倒れていくのを横目に見て、じっとしていれば、勝手に競争力が上がっていくことになります。

そうではなく、変化が求められている場合は、お客の悩みに焦点を当て、既存の技術や市場(お客)を活かしつつ、新たな商品・サービスを開発できないか?既存の技術や商品・サービスを活かしながら、新たな市場(お客)を開拓することができないか?という視点で考えを進めてみると良いと思います。

既に私たちの顧問先の中には、社会情勢に合わせて既存商品の見せ方を変え、新たな市場を開拓して、売上を伸ばしている会社が出てきています。

ただし、既存の技術や商品も活かさず、これまでとまったく異なる市場(お客)に進出する、いわゆる多角化はお勧めしません。なぜなら、そのためには、多くの資金を必要とすることが大半だからで、ここにお金を投下し始めると、企業防衛資金にも手を付けることになりかねないからです。

最後に

ということで、今日は、コロナ融資の使い道について考えてみました。

融資を受けられていない会社もある中、融資を受けられた会社は、このお金をどう使うべきなのか、これをよくよく考える必要があると思います。くれぐれも、資金調達できたからと安心して、考えることを止めないようにしてくださいね。

先の見えない状況の会社も多いと思いますが、どんなときでも必ず打ち手はあるのだ、と信じて、我々経営者は前に進むしかありません。みなさんの会社が未来へとつながることを心から願っています。

負けるな社長!

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