資金繰りの変化に早く気づくには?経営者が重視する数字を200人に調査(資金繰り・事業再生支援に強い『リンクソートコンサルティング』調べ)
売上や利益が順調に見えていても、手元の資金が不足すれば、仕入れ代や人件費、借入金の返済などに影響が及ぶ可能性があります。こうした資金繰りの変化に早く気づくためには、売上高や利益だけでなく、現金・預金の残高や今後の入出金予定など、経営に関する数字を日頃から確認しておくことが大切です。
そこで今回は、資金繰りと事業再生の専門家であるリンクソートコンサルティング(https://www.linkthought.co.jp/)が、経営者・役員、自営業の人200人を対象に、「経営状態を把握するうえで重視している数字・指標」「経営に関する数字を確認する頻度」、さらに「経営状態を数字で把握する際に難しいと感じること」について調査しました。
回答を全体として見ると、利益や売上を重視する人がいる一方で、経営に関する数字を定期的に確認していない人も少なくありませんでした。今回の調査結果をもとに、経営者がどのような数字に注目しているのか、経営状態の把握にどのような課題があるのかを整理します。
Q1.会社や事業の経営状態を把握するうえで、重視している数字・指標はどれですか?(複数回答可)

最も多かったのは「事業全体の利益に関する指標(営業利益・経常利益・純利益など)」で、29.5%(59人)でした。売上から経費を差し引いたあとに、どれだけ利益が残っているかを重視する人が多いことがわかります。
次いで「売上規模に関する指標(売上高など)」が25.5%(51人)でした。売上高は事業の規模や成長を把握しやすく、前年や前月との比較にも使いやすい基本的な指標です。
「利益率や採算性に関する指標(粗利益・粗利率など)」も24.5%(49人)と、約4人に1人が回答しました。売上額だけでなく、仕入れや原価を踏まえて、商品やサービスが十分な利益を生んでいるかを確認している様子がうかがえます。
支出に関する項目では、「人件費・家賃などの固定費」が22.5%(45人)でした。固定費は売上にかかわらず継続して発生するため、現在の売上水準で無理なく事業を続けられるかを判断する材料になります。
また、「手元資金に関する指標(現金・預金の残高など)」は22.0%(44人)、「借入金の残高・返済額」は20.5%(41人)でした。帳簿上で利益が出ていても、手元の現金が不足すると日々の支払いが難しくなります。借入金の状況も、毎月の返済負担や今後使える資金を見極めるうえで重要です。
「資金繰りに関する指標(今後の入出金予定・キャッシュフローなど)」は19.5%(39人)、「損益分岐点や黒字化に必要な売上水準」は19.0%(38人)でした。現在の実績に加え、将来の支払いに必要な資金や黒字化に必要な売上まで見通している人も一定数います。
そのほか、「顧客数・受注数・契約数などの営業指標」は17.5%(35人)、「売掛金・買掛金などの回収・支払状況」は17.0%(34人)でした。前者は将来の売上、後者は実際に現金が動く時期を把握するための指標といえます。
なお、「特に重視している数字・指標はない」は23.0%(46人)、「わからない」は12.5%(25人)でした。経営に関わっていても、優先的に確認する指標が定まっていない人も少なくないようです。
Q2.会社や事業の経営に関する数字・指標を、どのくらいの頻度で確認していますか?

最も多かったのは「ほとんど確認していない」で、29.5%(59人)でした。経営者や役員、自営業者であっても、売上や利益、手元資金などを継続的に確認する習慣がない人は少なくないようです。
次いで多かったのは「月に1回程度確認している」の24.0%(48人)でした。月次の売上や経費がまとまるタイミングで確認することで、前月との変化や事業の採算を把握していると考えられます。毎日の確認は難しくても、月に一度であれば経営状況を定期的に振り返りやすいでしょう。
「ほぼ毎日確認している」は10.5%(21人)でした。日々の売上や入出金を細かく確認している人は、資金不足や業績の変化にも比較的早く気づきやすいと考えられます。
また、「週に1回程度確認している」は8.5%(17人)で、毎日ではなくても、短い間隔で経営状態を把握している人も一定数いました。「月に1回程度」までを合わせると、少なくとも月に一度以上確認している人は43.0%(86人)となります。
一方、「税理士・経理担当者などから報告があったときに確認している」は9.0%(18人)でした。専門家や担当者の報告をもとに状況を把握できる反面、報告の間隔によっては急な売上減少や資金繰りの変化に気づくまで時間がかかる可能性もあります。
さらに、「定期的には確認せず、必要が生じたときのみ確認している」は7.5%(15人)でした。支払いや借り入れなどの必要に迫られてから数字を確認すると、問題への対応が後手に回ることも考えられます。
そのほか、「2~3か月に1回程度確認している」は5.5%(11人)、「年に1回程度確認している」は3.5%(7人)、「半年に1回程度確認している」は2.0%(4人)でした。経営に関する数字を確認する頻度には、回答者によって大きな差がみられます。
Q3.会社や事業の経営状態を数字で把握する際に、難しいと感じることは何ですか?(複数回答可:注1)

注1:本設問は複数選択式ですが選択肢は3つまでに制限しています。これにより、会社や事業の経営状態を数字で把握する際に難しいと感じることをより明確に把握できるようにしています。
最も多かったのは「特に難しいと感じることはない」で、38.0%(76人)でした。売上や利益などの数字を確認するうえで、大きな負担や判断の難しさを感じていない人が一定数いることがわかります。
一方、「経営に関する数字を確認していないため、わからない」も22.5%(45人)に上りました。数字の把握に難しさを感じていないのではなく、そもそも確認する機会が少ないため、課題を認識できていない人も少なくないようです。
具体的な課題のなかで最も多かったのは、「将来の売上や資金繰りを予測することが難しい」の10.5%(21人)でした。現在の売上や資金残高を確認できても、今後の受注や支払いまで正確に見通すことは難しく、先々の資金不足に備えるうえで悩みやすい部分と考えられます。
次いで「数字を確認しても、次に行うべき対応を判断することが難しい」が6.5%(13人)、「税理士や経理担当者に任せており、自分で判断しにくい」が6.0%(12人)でした。数字を集めることはできても、その結果を値上げや経費削減、資金調達などの具体的な行動につなげる段階で難しさを感じる人がいるようです。また、専門家や担当者に数字の管理を任せている場合、経営者自身が状況を判断しにくくなることも考えられます。
「どの数字を重視すべきかわからない」「売上・利益・資金繰りの関係を理解することが難しい」「数字から経営上の問題を見つけることが難しい」は、いずれも5.5%(11人)でした。経営指標にはさまざまな種類があるため、見るべき数字の選定や、数字同士のつながりを理解することが負担になっている様子がうかがえます。
そのほか、「必要な数字が複数の資料やシステムに分散している」「集計された数字が正確か判断することが難しい」「数字を確認・分析する時間が取れない」は、それぞれ5.0%(10人)でした。
また、「最新の数字を確認できるまでに時間がかかる」は4.5%(9人)、「数字を集計・管理する人手が不足している」は3.5%(7人)、「数字の意味や読み方に不明点がある」は3.0%(6人)となっています。情報を集める手間や人員・時間の不足に加え、数字そのものを理解する難しさなど、経営状態を把握するまでのさまざまな段階で課題が生じているようです。
なお、「その他」は0.5%(1人)でした。
まとめ:経営数字の定期的な確認が、資金繰りの不安を減らす第一歩
今回の調査では、会社や事業の経営状態を把握する際、利益や売上、採算性を重視する人が多いことがわかりました。これらは事業の成長や収益性を判断するうえで欠かせない数字ですが、安定した経営を続けるには、現金や預金の残高、今後の入出金、借入金の返済といった資金の動きにも目を向ける必要があります。
また、経営に関する数字を定期的に確認している人がいる一方で、ほとんど確認していない人も少なくありませんでした。忙しい日々のなかでは、目の前の業務が優先され、数字の確認が後回しになることもあるでしょう。しかし、確認する間隔が空くほど、売上の減少や支出の増加、資金不足につながる変化を見つけるのが遅れる可能性があります。
数字を確認する際の課題としては、将来の売上や資金繰りを予測する難しさに加え、数字を見たあとに何をすべきか判断しにくいという傾向もみられました。経営数字は、単に記録して眺めるだけではなく、変化の原因を探り、次の行動を決めるために活用することが重要です。まずは毎月決まったタイミングで売上・利益・支出・手元資金を確認し、前月や前年との違いを比べることから始めると、無理なく経営状況をつかみやすくなります。
資金繰りの悪化は、売上や利益だけを見ていても気づきにくい場合があります。経営上の変化を早めに把握し、必要な対策を適切なタイミングで進めるためにも、日頃から手元資金や今後の入出金予定を確認し、経営に関する数字を継続的に管理することが大切です。
リンクソートコンサルティングでは、資金繰りの安定化、事業の黒字化、金融機能の正常化に向けた支援を行う「資金繰り・事業再生コンサルティング」を提供しています。経営に関する数字の整理や今後の資金繰りに不安がある方、資金繰りに悩んだときに確認しておきたい考え方や支援内容を知りたい方は、ぜひリンクソートコンサルティングの公式サイトをご覧になってみてください。






















