4期連続赤字の会社を黒字化させた再生事例

ご相談の経緯

企業データ

  • B社
  • 資本金:1千万
  • 年商:2億
  • 従業員数:10名
  • 業種:建築工事業
  • ご相談時の経営状況:4期連続の赤字が出ており資金繰りが厳しい状態
  • 経営悪化の原因:メイン得意先の売上減少に伴い、当社売上が▲30%となって以降売上が回復せず赤字の状態
当初、毎月の資金繰りに危機感を持たれた経理担当者のAさんがご相談に訪れた。ご相談にいらっしゃるまでにも、幾度となく社長と経営改善策について話し合ってきたものの、その度に衝突し、先に進まないという。Aさんは人員削減を始め、経費を切り詰めてでも黒字化させるべきだと言うことに対し、社長は頑なに拒んできたとのこと。社長は2代目であったが、創業者の代から務めてきてくれている社員も、自分の代で採用した若手もリストラはしない、経費も切り詰めずできる限り頑張るのだと。。しかし、ご相談に来られた際には、手元の現預金が月商の半月分程度にまで落ち込み、毎月の仕入先や外注先の支払もギリギリの状態であった。

解決にあたって重視したポイント

  • 初期のデューデリジェンス
  • 社長の意識改革と社内の方向性統一
  • 社長の時間を確保するための組織変更

ご相談から解決までの流れ

  • 1. ご相談
  • 2. ご契約
  • 3. デューデリジェンス
  • 4. 経理財務体制の強化
  • 3ヶ月
  • 5. 社長の意識改革
  • 6. 社内の方向性統一
  • 2ヶ月
  • 7. 社長の時間を確保するための組織変更
  • 8. 7千万円の緊急資金繰り対策
  • 6ヶ月目~
  • 9. 粗利改善のための実行予算管理導入
  • 10. 黒字化達成+銀行への元金返済再開
  • 18ヶ月目~

問題解決を終えて 【代表:道家より】

問題の根幹

初期のデューデリジェンスを通じて、経営悪化の根本要因は、何でも自分でやってしまう主義の社長の「やり方」「考え方」にあると感じた。基本的には、1つ1つの仕事に細かく丁寧なのだが、多くの仕事を効率よく廻すことができないでいた。しかし、全ての現場を社長が廻って管理する、材料や外注先の発注も社長が行う、クレーム対応も社長、請求書の発行や経理関係までも社長が関与する、など、まさに何でもかんでも社長がやる体制になっていたのだ。それでうまく廻っているならばまだいいのだが、肝心の仕事は社長の手が廻りきらず、結局は、どれも中途半端な状態で社員が引き継がざるを得なくなっており、現場サイドにも不満が溜まっていた。こうした状況であるため社長はいつも忙しくしているが、反面、満足な営業活動はできていない。もちろん、他の重要な経営問題への対処もできているとは言いがたかった。

社長は、上記のような状態であり、ともかく「忙しい」を連発した。私に依頼をしたはいいが、打合せの場には3ヶ月間一度も顔を出さなかったほどだ。本来は、こうした状態では経営改善は望めない。私たちもお断りせざるを得なくなる。しかし、経理担当者のAさんには危機感があり、現状を打破したいという強い想いを持っていた。そして、幸いなことに足元では切れ目なく仕事があったため、すぐに資金ショートするという状況でもなかった。

-(経理財務体制の強化)

そこで、この間を利用して、足元の資金繰りや経営数値がタイムリーに見えるように経理財務体制を整えることとした。具体的には、このまま何も手を打たずに経営を続けた場合の想定資金繰りの作成、社内にも資金繰り予定表を導入し、かつ、経営改善へ協力的な税理士へと変更することで、翌月20日までには試算表が見える体制に変えた。試算表の中身についても、依頼者が見やすいよう要望を聞いて変更、中身の数字についても徹底的に検証した。

その結果、売掛金の未回収が散見されただけでなく、既に仕入先の支払期日に払えず、支払サイトをずらしていたりしていることもわかってきた。社長は既に一人で無理をしていたのだった。そして、もしこのまま経営をしていった場合、6ヶ月以内には資金が不足することも予想された。

いち早く社長と打合せをする必要があった。しかし、いくら電話やメールで打合せへの参加を要請しても、資金繰りが厳しくなる予測を示しても、この時点で社長は打合せに来なかった。後にヒアリングしたところ、95%以上を現場実務(営業を除く)に当て、経営の仕事は5%にも満たない状態だったのだ。

社長の意識改革

この社長の仕事のやり方、考え方を早急に変えて頂く必要があった。そこで、Aさんの提案もあり、Aさんが最も信頼を寄せていた、創業者の代から在籍するベテラン社員に協力を要請することとした。これまで、現場に苦しい経営状態を話してこなかったのだが、あえて信頼できる1名に話し、会社存亡の危機を共に救って頂きたいと訴えた。この方は、会社が厳しいのは理解していたが、ボーナスももらえているし、リストラがあったわけでもない、会社は何とかやっていけるのだと思っていたと言った。それが、社長のAさんが苦しんでいることを知り、快く協力を申し出てくれたのだ。Aさんの目に狂いはなかった。

その後、このベテラン社員さんは、社長と話し合いの場を持ってくれたようだが、社長はまったく当社は厳しくない、と突っ張ったそうだ。やはりダメか。。そう諦めかけたが、次月の打合せから社長は顔を出すようになった。その時、私は、社長からはこっぴどく怒られるか、勝手なことをしただけに首になるかもしれないと覚悟はしていた。が、逆に何事もなかったかのように打合せは進んだ。ぶっきらぼうな対応ではあったが・・。

-(全社員が再生に向けて動き始めた)

振返れば、これを機に社内がまとまり始めた。社長とAさんが月1回は必ず顔を合わせて経営を考える場が整い、その場にはリアルタイムの損益や資金繰り、未回収の売掛金がどこにいくらあるか、現在予定されている現場がいつどれくらいあるのか、などなど、経営状態が見えるようになり、資金繰りのコントロールが可能な状態になった。各現場の管理を社長から社員へ移行するという体制変更を進言したが、これもすんなりと受け入れられ、現場も苦労をしながら対応してくれた。後に、ボーナスの支給を停止し、諸手当も廃止した。もちろん、反発がなかったわけではない。しかし、あらゆる場面において、あのベテラン社員さんが社内調整に尽力してくれていた。こうして、会社は再生に向け一丸となり向かい始めたのだ。

緊急資金繰り対策

もちろん多くの問題が起きた。予想通り6ヶ月後には資金繰りが厳しくなってきた。この時点で、既に経営改善計画は作成済みであり、打つべき手はまとまっていた。しかし、最後の最後まで、銀行返済の停止と給与に手を付けるへきかどうか、社長は決断に迷われていた。しかし、確かに予測通りの厳しさとなり、これが続けば、最悪は給与すら払えなくなる。私もAさんも、社長室へ押しかけ、今決断せずしてどうするのかと詰め寄った。そして、これまでに検討済みの手を打てば、会社が生き、必ず復活するはずだと説いた。その翌月、遂に社長も決断した。もう少し遅ければ難しいというギリギリのタイミングだった。

これまで、通常通り行っていた銀行返済の条件をリスケし、元金0円の利息のみへと変更、メイン仕入先には1ヶ月間の支払猶予を頂く、保有していた手形の割引、有価証券の売却、未回収売掛金の回収活動、社会保険を3ヶ月連続で滞納し分割納付で対応、役員報酬の削減、ボーナスの支給見送り、諸手当の廃止、保険の見直し等、合計約7000万円分の資金繰り対策を速やかに打った。

緊急資金繰り対策

資金繰りは安定したが、赤字から脱した訳ではない。これからが本格的な改善の始まりだった。

抜本的な再生へ

資金繰りが安定し、現場の管理も社員が円滑に廻せるようになってきたところで、社長の時間を最も重要な営業活動へとシフトさせることができるようになった。その結果、幸運なこともあったが、確かに売上が昨年対比で1億円と大きく増加した。4期前の売上に戻したのだ。しかし、一方で、残念ながら現場の管理を社員へと移行する過渡期だったこともありミスが多発。特に大口の工事で大きな赤字を出してしまったことからも、粗利が14%と前年比8%も急低下し赤字という結果になってしまった。

ここから、粗利の管理に力を入れるようになる。

これまで、各現場の採算管理は社長の頭の中にしかなかった。しかし、社員へと現場管理が移行していることもあり、受注段階での見積もりや想定利益を現場責任者となる社員と共有することから始め、その後、各現場の結果報告も行って頂くことで、予実管理を行うこととした。うまくいった現場はなぜうまくいったのか、うまくいかない現場はなぜうまくいかないのか、これを明確にして現場責任者の利益意識を向上させるためだ。そのために、社長とも何度も打合せの上、帳票も整備した。

ごく当たり前のことを行うだけではあるが、実務で廻すまでには時間がかかる。忙しい中、これまでやってこなかった数字のまとめを行わなければならなくなるからだ。そして、必ずしも誰もが得意なことではない。むしろ、数字を扱うことに拒否反応を示してしまう人もいる。実際の話、パソコンが使えない、時間がない、このために残業代が掛かるなど様々な意見に押され、本来は各現場責任者に行ってもらいたかったのだが、結果、これは社長が取りまとめるということになってしまった。

そのため、やはり、一向に現場決算は出てこなかった。。それでも、毎月の打合せの中で、各現場ごとの利益がいくら出たのかとしつこく言い続けた。メールでも電話でも言い続けた。その結果、少し前の現場が見えるようになり、過去の現場を振り返り、なぜ想定利益が出せないのかが見えてくるようになってきた。社長の頭の中で、完全に現場の予算管理が根付いてきたのだった。その証拠に、粗利が急低下した翌期は、前期同様の売上で、かつ、粗利も6%改善。なんと、4期ぶりの黒字を確保することに成功したのだ。それも過去10期振返っても最高益だ。

抜本的な再生へ

最後に

こうして、稼いだ利益は延滞していた社会保険の完納、銀行返済の再開に主に充てると共に社員にも還元した。わずかではあるが一時金を出し、数年間止まっていた若手社員の給与ベースアップを行い、ささやかながら慰労会も催した。

ここまで来るのに2年半。沈んでいた社内で笑顔も溢れるようになり、一連のコンサルティングは終了した。これからは、新たな取引先の開拓、各現場の予算管理の徹底を行っていくと共に、社長の右腕となる社員を育成していくことが課題となるだろう。この時点で、社長は50台前半。まだまだたっぷりと時間はある。

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